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 排水処理 土壌浄化法 腐敗槽
 歴史 世界最初の水洗トイレ  太閤下水  三圃式農業 
 飲料水 おいしい水

おいしい水

厚生省の「おいしい水研究会」 が1985年に、おいしい水の条件を発表したことがある。

  • 水の硬度は10-100ppmの範囲内。     
  • 遊離炭酸を3-30ppmの範囲で含む。     
  • 蒸発残留物を30-200ppmの範囲で含む。     
  • 残留塩素の量は0.4ppm以下。     
  • 水温は20℃以下。
これらの5つの条件が満たされれば、その水はおいしいのだそうである。
インターネット上で公開されている名水の成分の一部を紹介する。

名称産地種類硬度CaMgNaKpH
ニセコ連峰の天然水北海道湧水245.82.76.91.57.4
男鹿のなまはげ活水秋田県鉱泉水14338.012.091.45.47.8
富士水峠の自然水山梨県深井戸水5715.67.16.40.67.4
龍神温泉の湯和歌山県温泉水7412.011.0355.610.87.8
くじゅう連山の湧水大分県湧水8517.711.712.34.46.8
BorsecRomania1173310.097.057.012.06.5


土壌浄化法

土壌層法は、土中の微生物の力により、廃水処理する方法でいろいろな構造がある。長崎オランダ村・ハウステンボスの例を図に示す。穴のあいたパイプの中に廃水を流し、土壌に浸透させる。目詰まり対策や微生物の増殖環境の維持が重要となる。

通常の生物処理に比べ、動力機器類が少ないため、電気消費量が少なく、維持管理も容易であり、ランニングコストも抑えられる。下水道未整備地域でも、完全自立型のトイレの設置が可能である。

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腐敗槽

最も日本的な腐敗槽は「肥溜め」である。現在では「浄化槽」がそれに当てはまる。 下水処理場の汚泥処理工程では「消化槽」と呼ばれ、嫌気性微生物による有機物の分解が促進される。この腐敗槽と沈殿池を組み合わせたものが「インホッフタンク」という改良型になる。連続的に廃水を処理できるというメリットがある。以前、高野山にインホッフタンクがあった。

中国の病院排水処理技術マニュアルに、「簡易生物化学的処理のプロセスはメタンガスセプティックタンク→消毒である。」とあるのは興味深い。チョウバエなどの発生がある。

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世界最初の水洗トイレ

古代インダスのモヘンジョ・ダーロ、ハラッパーには、水洗トイレがあった。トイレは浴槽のそばにあり、レンガ積みの足場で用を足す。汚物は浴槽の水か壷に汲み置きの水で排水溝へ流す仕組みで、溜め込む方式ではなかった。

20年位前の高野山の宿坊へ泊まった経験をもっている人は知っていると思うが、宿坊のトイレに便槽はなく、便器のはるか下のほうを勢いよく水が流れていた。勝手に「水流トイレ」と名づけたりしたが、インダスのトイレもこのようなものであったのかもしれない。

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太閤下水

本能寺の変、山崎の合戦で天下を取った秀吉は大阪城の築城に着手し、同時に大阪の都市計画を遂行した。秀吉の都市計画の特徴は、排水を重視したことである。東西の横堀川や、阪神優勝で常に話題に上がる道頓堀川、土佐堀川、立売(イタチ)堀川などの幹線排水路が作られ、町割りは、その支線となる「背割り下水」によって区画割された。宅地の背後を、宅地を割るように設置されたのでこのように呼ばれている。間知石または割り栗石の護岸で江戸時代末期には346kmに達した。

この背割り下水道は大阪市によって保存され、かつ、実際に使われてもいる。明治初期に近代的下水道の建設に着手した大阪市はこの背割り下水を最大限利用した。

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三圃式農業

ヨーロッパが産業革命に突入する以前の主産業であった農業の方式はギリシャ・ローマ時代の二圃式農業を発展させた三圃式農業であった。耕地を三等分し,それぞれ休閑・冬作(コムギ・ライムギ)・夏作(オオムギ・エンバク)にあて年ごとに交替し,3年に1度の休閑を行う方法で、休耕地には家畜を放牧した。

ヨーロッパの農業では、肥料として人糞は用いられなかった。休耕地の家畜糞尿であった。増産のためには家畜を増やす必要があり、そのためには家畜の飼料が必要となる。家畜の舎飼のため労働力、資本が必要となり、産業革命への前哨戦が始まった。

日本では行基の遺産や江戸時代の「慶安お触書」あるいは明治時代の内務省衛生局長であった長与専斎が下記のように述べているように人糞が肥料として用いられ、それが下水道整備を遅らせる一因となったことは疑いない。

「糞尿は肥料としての資産であり、下水にいれるべきでない。汲み取りの方法等を十分に検討すべきだ。悪水はことごとく地中に侵入するので悪水対策が重要である。悪水は糞尿より大害がある。」
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